FOM社製肩当てについて

バイオリン用肩当ての最王手メーカー、KUN。

しばらくの昔までは、肩当てのメーカーといえば、KUN、でした。
近年になってから、マッハ・ワンやViva la Musica(ビバラムジカ)といったメーカーの肩当てがある程度有名になってきた、というような気がします。

KUNの肩当てにしても、いろいろと種類があります。
昔からある、

・KUNオリジナル
・KUNスーパー

などに加えて、その後、

・KUNコラプシブル
・KUN Bravo

などが出てきたように記憶しています。
近年と言いつつも10年以上前なので、正確な順番は曖昧ですが。

その後の製品としては、カーボン素材が注目を集めた時期だということもあり、

・KUN Voce

が発売されています。

マッハワンの肩当てなど、独特な形状で作られているものもありますが、やはりブリッジ型肩当ての基本は、このKUNの肩当てです。
特に、KUNオリジナル〜KUN Bravoまでは、なだらかなカーブを描く標準的な形で、多くの方のバイオリンの構え方にフィットします。
(その点、KUN Voceはややフラットな形状で、バイオリンの構え方に合うかどうか、演奏者の好みが分かれます)

FOMのバイオリン用肩当て、KUNとの肩当てと似ている・・・

さて、肩当てメーカーの最王手、KUNについて書いてきましたが、ここで紹介したいのは「FOM」というメーカーの肩当てです。
具体的には、次の2つです。

バイオリン肩当  FOM 4/4・3/4サイズ
バイオリン肩当て FOM 木製 真鍮フィッティング

このメーカーは、他のメーカーの肩当てに似た製品を発売しています。
(あえてパクリとは言いませんが、非常に似た形状をしています)

安く生産できる国の製品で、非常に安価ですが、プラスチック製の肩当て(KUNコラプシブルに相当)はオススメできます。

KUNの肩当てと比べ、若干フォークメンバー(足の部分のネジ)と受け側のプラスチックの作りに甘さがありますが、通常使用する上では問題ないと感じています。
毎日何年も使うとなると寿命は来ると思いますが、間に合わせとして、もしくは予備としてならば問題無いでしょう。
構えた感じも、KUNコラプシブルと交互に付け替えて比べても、違和感ありません。

あまりに安価でしたので、木製の製品も試してみました。

AMAZONでのレビューは好意的なものが多いですが、私が使った感じでは、こちらはKUNの肩当てとだいぶ違った構え心地のように感じます。
KUNの肩当てよりも、肩に当たる部分がフラットです。
これから楽器を始められる方にはそういうものだと受け入れられるかもしれませんが、これまでKUNの肩当てを使っていて、例えばプラスチック製の肩当てから木製の肩当てにステップアップしよう、という場合は、形状に注意が必要だと思います。
安易にKUNの肩当ての代用品とするのは難しいと思います。
※それでも、非常に安いのでとりあえず買ってみても、とは思いますが・・・

予備の肩当てを持っておくべき理由

プラスチック製の方は、すでにメインの肩当てをお持ちの方が予備として購入するのも、良いです。

私自身、演奏のためにバイオリンを持って外出するときに、つい肩当てをケースに入れ忘れることがあるため、楽譜用のバッグに常にFOMの肩当てを入れてあります。
本命の肩当てはKUN Bravoを使っていますが、これを忘れた時の予備、というわけです。
FOMのプラスチック製肩当ては非常に軽いので、常にバッグに入れていても気になりません。
(一方、FOMの木製肩当てはある程度の重さがあります)

KUN BravoとFOMのプラスチック製肩当ては、素材こそ違うものの、バイオリンを構えた時の感覚はかなり近いです。

普段肩当てを使っている方の場合は、肩当てを忘れてしまうとバイオリンは非常に弾きづらいです。
また、男性の方で運悪くボタンダウンのシャツなどを着ていると、演奏時の摩擦で裏板のエンドピン付近に傷が入ってしまうことがあります。
そんな時に、予備の肩当てがあれば安心です。

これからバイオリンを始めるために肩当てを買う方にも、すでに肩当てを持っている方の予備としても、この肩当てはおすすめできます。

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