サイレントバイオリンやエレキバイオリンについて

YAMAHAが開発、販売しているサイレントバイオリン

このページでは、自宅、特にマンションなどでの練習に活用するという考え方で、サイレントバイオリンやエレキバイオリンを紹介します。

サイレントバイオリンは、一時期ヤマハの大人向け音楽教室がかなりプッシュしていたので、名前を聞いたことがあると思います。
「サイレント」バイオリンという名前が示す通り、音を出す環境に制約がある場合に、静かに練習するために作られたバイオリンです。

いろいろなモデルがありますが、代表的な形状としては、次のようなものです。(このほか最近、新商品が出ましたが、過去のサイレントバイオリンからデザインを一新し、やや奇をてらった外観になっています)

ヤマハ サイレントバイオリン SV250

サイレントバイオリンとエレキバイオリンの違い

混同されやすいものとして、エレキバイオリンというものがあります。
エレキバイオリンとは、電気を使って音を増幅することのできるバイオリンです。

広い意味では、小さなマイクを取り付けたバイオリンもエレキバイオリンと呼ぶべきですが、通常は、エレキギターのように胴体に仕込んだピックアップで電気的に音の信号を捉え、アンプで音を増幅する、という動作原理のものをエレキバイオリンと呼んでいます。

実は、この定義から言えば、ヤマハが開発し、販売しているサイレントバイオリンは、エレキバイオリンの一つということになります。

エレキバイオリンは、実はかなり前からアメリカなどで存在したのですが、ロックなどのジャンルで使用されているのみでした。
これをヤマハが「サイレントバイオリン」としてデザイン、開発を行い販売することで、日本国内での普及のみならずかなり海外でも販売されました。

やはり日本が誇る楽器メーカーであるヤマハの作る楽器の品質が、世界にも認められたということです。

このように、もちろんその確かな品質によってたくさんのサイレントバイオリンが購入されていったことは疑いのない事実ですが、「サイレントバイオリン」という日本の家庭事情、練習環境事情を想定したネーミングにより商業的に成功したというのも、これまた事実だと思います。

サイレントバイオリンの練習への活用

サイレントバイオリンやエレキバイオリン(そのうち、共鳴胴のないものに限る)は、生のバイオリンに消音器をつけたほどに小さな音に抑えて練習をすることができます。

それぞれ、音の抑え方の原理は異なっています。

<生バイオリン+消音器>

  • 共鳴胴(本体そのもの)はあるが、駒に取り付けた重りで大きく振動を減衰させている

<サイレントバイオリンやエレキバイオリン>

  • 弦の振動はダイレクトに駒に伝わるが、その先の共鳴胴がないため、外に聞こえるのは弦の振動そのものの音程度

サイレントバイオリンやエレキバイオリンは、共鳴させるための胴体に振動を伝える代わりに、ピックアップで電気信号を作り出します。

そのため、エレキギターと同じようにエフェクターやアンプを繋ぐことで、ロックで演奏するような音作りができます。
いろいろな楽しみ方ができるので、練習目的以外でもおすすめです。

先ほど紹介した、

ヤマハ サイレントバイオリン SV250

このヤマハのエレキバイオリンは、私自身一時期ライブハウスなどで使っていました。
非常に品質が高く、おすすめです。
これは、音にノイズが入らない、などといった演奏上の音質はもちろん、ペグなどのバイオリンとしての基本的な作りがしっかりしている、という点でもしっかりと品質が担保されています。

一方でアマゾンなどで「エレキバイオリン」と検索すると、いろいろな商品がヒットします。

「エレキバイオリン」での検索結果

中国製の、かなり安いものが並んでいます。
いくつか現物を見たことがありますが、ペグが止まらなかったり、演奏上の影響はないとは言え塗装が雑すぎたり、あまりオススメできるものではありませんでした。

どうしても安い製品を買う場合は、これらの中ではHallstatt(ハルシュタット)社の製品が比較的良いとは思います。

ただし、Hallstattのエレキバイオリンは、小さいながらも共鳴胴を残してあり、YAMAHAのサイレントバイオリンと比べるとある程度大きな音が鳴ってしまいます。
そのため、マンションでの練習、夜間の練習用として購入する場合は、前のページで紹介したような消音器と組み合わせて使用するのが万全だと思います。

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