消音器の選び方

バイオリン用の消音器は、材質の違いで選ぶべき

消音器の役割については、こちらのページで紹介させていただきました。消音器は演奏用の弱音器とは異なり、できる限り音を抑えるものだ、ということでしたね。
マンションでの練習や、夜間にしか練習できない時に役立つものです。

すでに紹介したように、バイオリンの消音器には材質の違い、形の違いにより様々な種類がありますが、どのように選択すれば良いのでしょうか?
まず最初に決めるべきは、どのような材質の消音器を買うか、ということです。

消音器の種類は、金属が材質のものと、ゴムが材質ものの2つに大別されます。
以前のページでもお見せしましたが、金属製のもの、ゴム製のもの、それぞれ写真のような形をしているのが一般的です。

それぞれ、次のような特徴や、使用上の注意があります。

■金属製の消音器

  • ゴム製の物に比べて消音性能がかなり高い
  • 練習中に脱落した場合、楽器を傷つける可能性がある
  • 弾いているうちにズレる場合がある(浮き上がる)
  • 消音器をつけない場合と弾き心地がかなり変わってしまう

■ゴム製の消音器

  • 消音性能は、高音弦(E線)では満足できるが、低音弦(G線側)はあまり効果がない
  • 楽器の上に落ちても楽器に傷をつける心配がない
  • 弾き心地は演奏用ミュート(弱音器)をつけた時の延長上であり、違和感が少ない

残念ながら、要するに一長一短なのです。
ゴム製の消音器は気軽に使うことができますが、例えば深夜にマンションでバイオリンを練習するときには、これでは十分な消音性能とは言えません。
取り扱いには注意が必要ですが、下のリンクにあるような金属製の消音器を使うしかないと思います。これは金属製の消音器の中でも、特に消音性能は非常に高いです。

My Mute バイオリン用消音器 高級金メッキ仕上げ 重量約65g

音量を少しでも抑えたいという方の場合は、これを購入しておけば間違いありません。
また、このミュートはバイオリンの駒の穴の部分をうまく捉えて挟み込むので、最初に写真でご紹介したような上から被せるタイプのものと違い、脱落の危険性が非常に低いです。
その点からも、オススメです。

ハイブリッド素材の消音器について

述べてきたように、できる限りの消音性能を性能を求めるならば、前述の消音器一択だと思います。
ただ、例えばコンクリート造のマンションでの練習だったり、夜の練習とはいえ一戸建ての環境であれば、ハイブリッド素材でできた消音器をオススメします。

ハイブリット素材の消音器とは、ここでは金属とゴムなど、二つの素材を複合的に使って作られた消音器です。
ここでは、オススメのものとして2種類紹介します。

1つ目は、ARTINOという名前のミュートです。

バイオリン・ビオラ用消音器 Artino プラクティスミュート

これは、見た目は上から被せる金属製の消音器と似ていますが、ゴムのようなコーティングがされていて、滑りにくくなっています。
また、楽器の上に落とすようなことは避けたいですが、万が一の時の楽器へのダメージは金属製の消音器よりは少ないはずです。

消音性能は、先ほど紹介したゴールドの消音器に比べるとある程度落ちますが、ある程度の音が出ても良いなら、この消音器も候補になります。

そして2つ目は、Pianissimoという名前のミュートです。

練習用ミュート「ピアニッシモ」(ヴァイオリン・ヴィオラ兼用)

「Pianissimo」という名前から非常に小さい音になるのではと期待もしてしまいますが、消音性能は、ARTINOと同程度です。
ARTINOと比べると値段が若干高いですが、この消音器を選ぶ一番の理由は、演奏者の司会を遮ることがない、という点にあります。

上から被せるタイプの消音器を使用した場合、どうしても演奏者から弓と弦の接点が見えにくく、もしくは見えなくなってしまいます。
弓と弦の接点に注目してボーイングの練習をすることは、右手の基礎を身につける上で非常に重要なことです。そのため、消音器を使うような夜の練習でもまっすぐに弓を使う練習をしたいのであれば、この「Pianissimo」はオススメです。

先ずはハイブリット型の消音器の購入をおススメします。

色々紹介してきましたが、木造のマンションなど、「とにかく音を小さく」というのであれば金属製の消音器を選ぶべきですが、多くの方においては、まずはハイブリット型の消音器を購入するのが良いと思います。
消音性能が十分でなかったという場合であれば、金属製の消音器を追加で購入し、ハイブリット型の消音器は早い時間の練習で使うなど、使い分ければ良いのです。

一方で、金属製の消音器をいきなり購入した場合は、「ここまで音を抑えなくても・・・弾き心地を優先したかった」となってハイブリット型の消音器を買った場合、金属製の消音器が無駄になってしまいます。

このような理由で、紹介した2種類のハイブリット型の消音器のどちらかをまず購入するのが、良い策だと思います。

ハイブリット型の弱音器は、こちらから購入できます。

バイオリン用消音器 Artino APM-01

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